カテゴリー「鉄道・気動車」の記事

2009/05/20

紀州鉄道 キハ603

[Sound]紀州鉄道 キハ603

 これまでも,たびたび収録している,国鉄標準型エンジンDMH17系。たびたびどころか,カテゴリ「気動車」では,特急はまかぜと尾小屋鉄道を除いてすべてこの系列のエンジンが占めている有様である。
 今回も御多分に漏れず,和歌山県は紀州鉄道から。キハ603は,廃止によって大分交通耶馬溪線から転入してきた中古車輛で,やはり主機はDMH17Bを搭載している。照明が白熱灯だったり,側面はいわゆるバス窓だったり,網棚がパイプでなくちゃんと網であったり,と,細かいところで時代を感じさせる車輛である。
 車体の塗装は湘南スタイルを真似てみました,というところだけれども,何とも地味で,逆に落ち着きさえ感じさせる。しかしながら,屋根が低い所為だろうか,正面や斜めから見るとどことなく不安定感がある不思議な車輛だ。
 2.7kmの路線に5駅もあるため,所要8分,表定速度20km/hあまりで,当然,直結段に入れることもない。それでも細かな加減速を繰り返すため,結構変化に富んでいる。
 今回は,御坊から西御坊までの全線,ノーカットでお伝えする。若干窮屈なシートに座り,全開にはならない窓を押し上げて,ゆるゆると走る気動車に乗っているつもりでお聴きいただきたい。聴き方は人それぞれだが,力行のエンジン音よりも,アイドリングや停車時の小銭のやりとりを楽しみたい録音である。

平成20年4月26日 紀州鉄道 御坊~西御坊 キハ603
603

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2009/03/23

キハ52型気動車 その2

[Sound]キハ52型気動車 その2

 JRに残されたキハ20系列のうち,エンジンが登場当時のまま現存しているのが,前回もお伝えしたJR西日本のキハ52である。この車輛は100番台であるので,他のキハ20系列のDMH17Cではなく,横型のDMH17Hを搭載しているのだが,このエンジンとても同社のキハ58など僅かに残るばかりの,貴重な存在である。
 横型で車外からメンテナンス可能なので,車内に点検蓋がなく,エンジンの位置の推定がしづらい,蓋の縁から漏れてくる音が拾えない,など,録音に際しては制約の多いエンジンではあるが,今回は,大糸線の上りで,姫川沿いに遡上している列車のサウンドをお送りする。急カーブと急勾配のため速度が出ず,一駅間僅か6.5kmの距離であるが,これまでの最長記録(箱根登山鉄道 宮ノ下~大平台)を破り,10分を超える大作となった。トンネルあり,鉄橋あり,変速→直結→変速の切り替えもあり,エンジンの唸り具合といい,中身も充実した録音となった。
 機材の不調からか,右側の音が少し変だが,半年も新たな録音がなかったので掲載する次第。

平成21年3月21日 西日本旅客鉄道大糸線 平岩~北小谷 426D
P1000008

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2008/03/31

茨城交通 最後の一駅

[Sound]茨城交通 最後の一駅

 平成20年4月1日よりひたちなか海浜鉄道に移管される茨城交通湊線。最終日の下り最終列車,最後の一駅間を録音し,お送りしたい。

平成20年3月31日 茨城交通湊線 磯崎~阿字ヶ浦 155列車 キハ205


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2008/02/03

島原鉄道 キハ2008

[Sound]島原鉄道 キハ2008

 国鉄キハ20形が残っている数少ない私鉄の中でも、輛数距離ともに最も規模が大きいのが島原鉄道である。同仕様の自社発注キハ2003と国鉄からの譲受車含め8輛が在籍している。
 比較的平坦な北目線区間の録音で、直結段でも高回転で快走している。当該車輛キハ2008は、朱色5号のいわゆる首都圏色に塗られている。

平成20年2月2日 島原鉄道 古部~阿母崎 126列車 キハ2008
Kiha2008

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2007/10/01

キハ52型気動車

[Sound]キハ52型気動車

 DMH17系エンジンを搭載した一般型気動車キハ20を2エンジン化した形式である。当初、キハ20などと同じDMH17Cを搭載したが、後にキハ80系列やキハ58系列と同じ横置型のDMH17Hを搭載した100番台が登場した。
 エンジンを2台搭載するため、車長がキハ20より1.3m長い21.3mとなっているのが特徴で、2エンジン両運転台の後継機が現れなかったこともあり、現在でもJRで使用されている。
 録音は、大糸線全通50周年記念で運転されたキハ52型3輛編成で運転された列車の発車時の模様である。小谷太鼓の響き(注:鐘の踏切ではありません)に送られながら、3輛6基のエンジンが目の前を通過していくシーンは、今ではなかなか耳に出来なくなってしまった。
 同線は姫川を遡上する勾配線区であるため、2エンジン型のキハ52が活躍している。機会があれば、懸命に坂を登る走行シーンも収録してお伝えしたい。

平成19年9月30日 西日本旅客鉄道大糸線 南小谷駅 429D キハ52156 キハ52125 キハ52115
Dsc00037

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2007/09/04

国鉄のエンジン形式の読み方

 今まで何回となくディーゼルエンジンを形式で紹介してきたが、今回はその形式記号の読み方を解説しよう。最初の英字2文字がGMならガソリンエンジン、DMならディーゼルエンジン。次の英字は気筒数で、A=1、B=2、...Z=26となる。27気筒以上の場合はどうするのかは不明であるが、現在のところ、最大でDMP、すなわち16気筒までのようである(DD54のDMP86ZとDE50のDMP81Z)。次の2桁の数字がリットルで表した排気量。横置きエンジンの場合は数字の後にHがつく。更に、過給器がついていればSが、インタークーラーがついていればZがつく。改良による派生型などには、この後ろにA、B、Cなどの接尾辞がつく。これだけではまだ終わらずに、走行用でなく発電用途のものは最後に-Gを、除雪兼用のものは-Rをつけることになっている。
 以上をふまえて解読すると、DMH17Cというのは、ディーゼルエンジンで8気筒17リットル、4番目に作られたということになり、スハフ14に搭載されたDMF15HZ-Gは、ディーゼルエンジン6気筒15リットルインタークーラー付きで電源用ということになる。じゃあ、DMH17Hは、横置きなのか9番目なのか厳密には判断できないが、ここは意地悪なことを言わずに、横置きのパイオニアということにするのが大人というもの。前回に紹介したキハ181に搭載されているDML30HSCは、ディーゼルエンジンで12気筒30リットル横置き過給器付きの4番目の機種ということになる。

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2007/07/31

特急はまかぜ キハ181

[Sound]特急はまかぜ キハ181

 新系列気動車、という言葉も、すっかり昔のものになってしまった。

 昭和41年に登場した高出力気動車の試作機キハ90系列のうち、500PSのDML30HSAを搭載したキハ91を元に昭和43年から製作された特急用気動車である。エンジンはDML30HSAを改良したDML30HSC(後期に製造された車輛はDML30HSEを搭載しているようだが、資料により記述の異同が大きく、識者の指摘を俟ちたいところです)。北海道を除く日本全国の非電化区間で使用されたが、全国各地の非電化区間は北海道を除いて縮小傾向にあり、いまひとつ活躍できなかった。
 現在では纔かにJR西日本の「はまかぜ」に使われるのみだが、大阪~姫路の平坦区間では最速の「はまかぜ3号」が61分。新鋭の「スーパーはくと」に遅れること2分で走り抜いている。

平成19年6月30日 西日本旅客鉄道東海道本線 大阪~三ノ宮 はまかぜ1号 キハ180
181

 ところで、気動車用の車内放送オルゴール、この列車を含め変なところで切っている気がするのですが、どうなんでしょう。

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2007/03/11

鹿島鉄道 キハ601

[Sound]鹿島鉄道キハ601

 廃止間近の鹿島鉄道。DMH17の唸りをもう一度、ということで、今度は車内録音を敢行。御託は前回の本文を参照していただくとして、今回は音をお聞きあれ。

平成19年3月10日 鹿島鉄道 借宿前~榎本 8列車 キハ600

601

参考 前回の御託

付記 パノラマ寫眞貼さんに、参考リンクとして掲載していただきました。ありがとうございます。パノラマ寫眞貼さんの「音鉄の旅 vol.02 鹿島鉄道」には、キハ600型のもう一輛であるキハ602の録音のほか、非常に貴重なキハ432の録音もあります。また、QTVRによる360度全周パノラマが見ものです。ぜひ御覧ください。

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2007/01/03

鹿島鉄道 キハ600

[Sound]鹿島鉄道 キハ600

 今年3月にも廃止が予定されている鹿島鉄道から、キハ600のサウンドを。
 鹿島鉄道に残るキハ601とキハ602は、国内現役最古の気動車、まさに日本の気動車の歴史の生き証人のような車輛である。元をたどれば、鉄道省のガソリンカーキハ42000で、エンジンはGMH17を搭載していた。後に、終戦直後の燃料不足から天然ガス機関に改造されキハ42200となった後、ディーゼル機関DMH17を搭載してキハ42500と改められた。形式名称が変更となりキハ07となった。鹿島参宮鉄道に譲渡されて、関東鉄道鹿島線→鹿島鉄道に引き継がれることになる。関東鉄道時代に大改造を受け、平面図で見ると楕円形をしていた前面が切り妻になった。鹿島鉄道になってからは、なんと冷房化改造まで行われている。現在はエンジンは180馬力のDMH17BXを積んでいる。
 やはり風の強い日、防風処理にかまけていたのでレベルが低すぎ、あとから編集で上げたらノイズが目立ってしまった。取り直しが必要と認められる。

平成19年1月3日 鹿島鉄道 巴川 34列車 キハ600(番号不明)

参考文献
保育社 私鉄の車両8 関東鉄道(ネコ・パブリッシング覆刻)
鉄道ダイヤ情報 2002/10(第31巻10号)
鉄道ピクトリアル 1996/04臨時増刊号(通巻620号)

[Link]鹿島鉄道公式

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2006/11/15

茨城交通湊線 キハ2005 その2

[Sound]湊線キハ2005

 またも湊線で習作。しかも同じキハ2005。ただし今度は車内録り。中根を出てしばらくは平らな田圃の中だが、金上の手前で洪積台地の上に上がらなくてはならない。直結段につないだあと、どうするのかと思ったらそのまま登り切ってしまった。変速段に落としてくれるのをちょっと期待していたのだが。

平成18年11月15日 茨城交通湊線 中根~金上 150列車 キハ2005
2005

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