紀州鉄道 キハ603
これまでも,たびたび収録している,国鉄標準型エンジンDMH17系。たびたびどころか,カテゴリ「気動車」では,特急はまかぜと尾小屋鉄道を除いてすべてこの系列のエンジンが占めている有様である。
今回も御多分に漏れず,和歌山県は紀州鉄道から。キハ603は,廃止によって大分交通耶馬溪線から転入してきた中古車輛で,やはり主機はDMH17Bを搭載している。照明が白熱灯だったり,側面はいわゆるバス窓だったり,網棚がパイプでなくちゃんと網であったり,と,細かいところで時代を感じさせる車輛である。
車体の塗装は湘南スタイルを真似てみました,というところだけれども,何とも地味で,逆に落ち着きさえ感じさせる。しかしながら,屋根が低い所為だろうか,正面や斜めから見るとどことなく不安定感がある不思議な車輛だ。
2.7kmの路線に5駅もあるため,所要8分,表定速度20km/hあまりで,当然,直結段に入れることもない。それでも細かな加減速を繰り返すため,結構変化に富んでいる。
今回は,御坊から西御坊までの全線,ノーカットでお伝えする。若干窮屈なシートに座り,全開にはならない窓を押し上げて,ゆるゆると走る気動車に乗っているつもりでお聴きいただきたい。聴き方は人それぞれだが,力行のエンジン音よりも,アイドリングや停車時の小銭のやりとりを楽しみたい録音である。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント