カテゴリー「バス」の記事

2011/01/15

東陽バス 日野RE101

[Sound]東陽バス 日野RE101

 今回はバス。
 日野自動車の路線用車輛は、通常版のRB(後にRE)と高出力版のRCという2つのラインナップがあったが、こちらは前者である。現在となってはモノコックボディのバス自体が珍しいが、それだけでなく、この車輛は沖縄の交通史上でも記念碑的な存在なのである。
 沖縄が日本に復帰したのが昭和47年。その後しばらくは、占領下と同様車輛は右側通行であったが、昭和53年7月30日を以て左側通行となることになった。それだけでも、いままでの交通常識が覆されるわけで大変なことであるが、特にバスにとっては深刻な問題が発生する―客用扉が反対側になってしまう。
 まさか客を道路の真ん中に待たせるわけにはいかないので、右ハンドル左ドアの新車を導入して全車入替をするという、空前絶後の事態になったわけである。このとき入った車輛は、その日付から俗に「730車」などと呼ばれた。
 爾来、沖縄のバスは車齢の同じバスが大多数を占めるという状況が続いていた。直後はみんな新車、10年後はみんな10年選手、と。
 しかし、それも今は昔。30年以上も経過した現在では、車輛の入れ替わりが進み、街中には出自も新旧も様々なバスが行き交っている。その中で、沖縄バスのふそうMP117Kと、この東陽バスのRE101との2輛だけが、動態保存の形で残っている。特にRE101は、週に1回程度、運用に入っており、比較的容易に乗車できる。
 今回収録したのは、城間線に入ったときの模様で、本島南部、沖縄県南城市の馬天営業所を起点に、国道331号、329号から環状2号に入り、那覇市の東部を抜けて県道153号を通り浦添市の城間に至る路線である。録音は城間地区を循環したあとに経塚方面に戻るところ、動態保存車輛の余生にしてはかなり苛酷な坂であるが、懸命に登る姿には心打たれるものがある。

平成22年12月5日 東陽バス 沖22か906 191系統城間線 美術館前~安波茶
P1000905

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2009/09/18

いすゞ キュービック LV324L

[Sound]いすゞ キュービック LV324L

 LV系は,いすゞの大型バスにつけられた形式であり,観光車から路線車まで幅広くカバーするが,今回は一般路線車のU-LV324を御紹介する。

Sankou 現行のエルガの登場前までは,LV路線車(と9mクラスのLT)のうち,IKコーチ(一部,旧川重車体を含む)の車体を架装したものは,その独特の形状から,キュービックという愛称がつけられていた。やや傾斜して取り付けられた前面の大きな一枚窓は,下辺のカーブと相俟って,異彩を放っている。側窓も天地方向に広く,車内で着席した際にも手元まで窓が広がっており,乗っていても楽しい車輛である。

Semai 産交バスの松橋と三角を結ぶ路線は,宇土半島南岸を走り風光明媚な景色が特徴である。が,旧道を丁寧に辿るため,とても狭い。

 録音のうち,1'55"~2'00"あたりで,JR三角線の列車と併走する。惰行中なのでエンジン音は聞き取れないが,ジョイントの継ぎ目を刻む音がかすかに聞こえる。

産交バス 赤岩~際崎 いすゞ-IK LV324L 熊本200か・636
 友情出演 九州旅客鉄道三角線 波多浦~三角 525D キハ40 8101 キハ31 14

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2007/12/22

宮城交通 日産ディーゼルP-U33L

[Sound]宮城交通 日産ディーゼルP-U33L

 日産ディーゼルといえば、一時期は2ストロークディーゼルエンジンの代名詞であり、ユニフロー掃気ディーゼルエンジンの頭文字を取った略称「UD」は、今なお同社のブランドとして親しまれている。当館でもUD3形エンジンを使用した尾小屋鉄道キハ3を紹介したことがある。
 その日産ディーゼルであるが、昭和45年から路線バスでも4ストローク車を並行生産するようになり、完全に4ストロークエンジンに移行したのが昭和48年に登場したU20(エアサスペンション車はUA~となる。以下U33まで同)である。その後、排気ガス規制などによりエンジンを改良してU31→U32→U33と進化してきた。
 U33は、富士重工業7Eまたは西日本車体工業58MCの車体が架装されることが多いが、この車体はロングセラーで、後継のUA440と更に後継のUA460にも使われているため、地方のバス会社では、同じ車体を使った中古車のU33と新車のUA460が、同じ時期に発行されたナンバープレートをつけて走っているという光景も見られた。
 録音は、宮城交通富谷営業所所属のP-U33L。エンジンをかけた直後のアイドリングを録音している。

平成19年12月8日 宮城交通 宮城22か52-41

U33

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2007/05/18

新常磐交通 日野K-RT225AA

[Sound]新常磐交通 日野K-RT225AA

 交通博物館といいながら鉄道ばかり。看板に偽りありなので、申し訳程度に他の乗り物も入れるか、開き直って鉄道博物館と改称するか迷うところではあるが、以前ご紹介したラジオまるこすぎさんの第23回に触発されてバスの音を録ってきた。

 日野自動車の大型バスは、歴代ブルーリボンの愛称がつけられており、今回取り上げるRTもその一つである。
 RT22x/RU22xは、昭和57年に、日野自動車の路線車としては初のスケルトンボディーで登場した。僅かに突き出し手前に傾いた方向幕のスタイルは、後のHT/HU系やブルーリボンシティーにまで引き継がれている(なお、バスの車体はシャシと別メーカーで架装されることが多く、RT/RUでも主に日野車体工業のボディを使用している。正確にはこのスタイルも日野車体のボディがそうである、ということになる)。RTが板バネの懸架、RUがエアサスペンションという区分となっている(これはHT/HUも同様)。xには数字が入り、サイズを表す。
 縦置きエンジンEM100を搭載したことが特徴で、このエンジンは、後に日野路線車の顔役となるM10U型エンジンに発展していくのであるが、従来と異なる縦置きエンジンのEM100を敬遠してRT22x/RU22xを導入しなかったバス会社も多い。そのような会社では、並行生産されていた前系列のモノコックボディ横置きエンジンのRC3x1系列を導入し続け、昭和59年の生産終了後はRC3x1で使用されたER200エンジンを搭載したスケルトン車HT/HU22xを選択していた。
 昭和60年にHT/HU23系がリリースされると、RT/RU22x系は早くも生産中止となった。ラインナップに載っていたのはわずか4年である。
 このような事情もあって、画期的な形式であるにもかかわらず、日野の路線車の中でも今一つ影が薄いが、独特のエンジン音も相まって、趣味的には心惹かれる車輛ではある。

 この録音は、福島県浜通りを営業エリアとする新常磐交通の車輛で、昭和58年製造。同年施行の排気ガス規制ではなく、その一つ前のいわゆるK規制適合車である。運転手氏の曰く、車体は痛みが激しいが、エンジンは好調とのこと。山岳路線ではあるが、苦もなく坂を登っていた。

平成19年5月14日 新常磐交通6系統高野線 鬼ヶ沢~樅の木下 いわき22か・162
Rt225aa

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